◆大学病院では、最先端の医療機器や薬を使って、病気やお産をコントロールしているつもりでいい気分になっていました。 |
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◆今の産科医療は、医師が帝王切開や陣痛誘発剤や促進剤など、お産に手を出せば出すほど、お金が儲かる仕組みになっています。 |
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◆帝王切開は、緊急の場合を除けば、医師の都合に合わせて手術日も決められるので、自然分娩させるよりずっと楽で、帝王切開ほど楽な手術はありません。医師になって1年もすれば誰だって出来ます。 |
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◆陣痛誘発剤や促進剤を使えば、分娩時間が短縮できますし、病院の都合に合わせて計画的に出産も出来るので、医師やスタッフの拘束時間も短くてすみます。 |
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◆人間がお産の進行に余計な手出しをしてしまうと、様々な障害が起きてしまいます。例えば微弱陣痛なので、薬を使って人工的に強い陣痛を起こしたとします。すると子宮が強く収縮するので、赤ちゃんはギューギュー産道に押し出されます。ところがまだ体の準備が整っていないのですから、出てこられるわけがありません。
赤ちゃんは産道を通ることができないので、最悪の場合、赤ちゃんの頭が圧迫されて脳出血をするかもしれないし、母親の産道が破裂してしまうかもしれません。どちらにしても、赤ちゃんは危険な状態になるので、慌てて帝王切開に切り換えたり、鉗子や吸引器で無理やり引っ張り出すようなことが、毎日当たり前に行われています。なかには大変な難産になって、赤ちゃんに障害が残ることもあります。 |
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◆産科学のマニュアルには、子宮口が全開になって2時間以内にお産しないと「異常分娩」と規定され、何らかの医学的処置を行うことになっています。でも「2時間」という時間は誰が決めたのでしょう?その時間はすべての人に当てはまるのでしょうか?産婦と胎児、一人一人の体の条件も環境もお産の進行も違うのに、なぜ一律に「2時間」「で「異常」と判断されるのでしょうか? |
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◆産科学では破水して48時間以内に分娩しないと、異常なお産とされ、帝王切開になったり、陣痛促進剤を使ったりします。本当はもう少し時間をかけて、自然に生まれるのを待てば赤ちゃんへのリスクも少ないのに、それができない。また破水すると、それまで羊水の中に浮かんで外界から守られていた赤ちゃんが、外界にじかに触れることになるので、感染の恐れがあるということで、産婦に抗生物質の投与をします。
私も最初の頃は、教科書通り、抗生物質を使っていました。そうしないと、胎児に感染症が起こると書いてありましたし、大学でもそう習ったからです。でも自然なお産をするようになり、元気で生まれる赤ちゃんばっかりを見るようになると、余計なものは使わなくても、宇宙に任せておけば大丈夫だと確信するようになりました。
少しずつ抗生物質を減らし、ついに全く使わなくなりましたが、それでも感染症などは起こりませんでした。上記の話も含めて、教科書に書いてあることなどは、うそばっかりではありませんか。 |
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◆お産における「何々法」というのはばかばかしく、しょせん、人間がつくるものは、その程度のもの。自然を見ていないからそうなるのです。 |
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◆お産の最中は、産婦に恐怖や不安を与えないようにすることが肝心です。緊張すると産めなくなるのは、草食動物のお産を考えてみればいい。だから手術室のようなところで、産婦を分娩台に縛りつけて、煌々と照明を照らしたり、手術着を着た医師が恐ろしげなメスやら器具やらを持ってそばにいてはいけない。
そんな状態で緊張してお産をしても、なかなか生まれないものだから、大切なところをザクザク切って、出さなければならなくなる。血まみれの赤ちゃんが生まれてきて、女の人は怖くて、痛くて、お産なんて、2度とごめんだと思うでしょう。
産婦が緊張していると、その緊張は胎児にも伝わります。母親が不安で恐怖におののいているときには、赤ん坊もパニックになっています。産道もリラックスしていないから開かないし、そうなると赤ちゃんにも大変なストレスがかかります。 |
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◆帝王切開に反対する理由は、赤ちゃんの方にもあります。生まれる準備もなく、いきなり外に出されたのですから、自然に生まれた赤ちゃんより異常が起きやすいのは当然です。赤ちゃんが大変な思いをして産道をくぐり抜け、下から生まれて来るには、やはり意味があるのです。 |
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◆運動したら、早産するというのは大うそ。早産を防ぎたかったら、どんどん運動すべきです。 |
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◆今の医学は薬という化学物質で、生命のメカニズムをズタズタにしてしまっている。そういうものを排除し、自分の力で治っていく自然の力を再構築してやれば、体も心もちゃんと元に戻るのだと私は確認している。 |
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◆時代性か、自然分娩を看板にして、患者を集めながら、結局は人工分娩にして、経済的利益を得る医者がゴマンといます。 |
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◆いまの医学は科学的なデータを優先します。「エビデンス・ベースド・メディスン」などといい、結果として出てきた数字で物事を判断します。目の前の人間を見ずして、わざわざ人間を数字に置き換え、データだけで見る。 |
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◆大切なのは、赤ちゃんが死なないことだけではなく、幸せに生きることです。 |
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◆産科医が、妊婦をビクビクさせていることは事実です。ビクビクして心配だから、家でゴロゴロ安静にしている。暇だからパクパク食べる。安産の大敵であるゴロゴロ、パクパク、ビクビクの状態を医者が率先してつくり、リスクの高いお産を生みだしているのです。 |
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◆私の診療は、医学的な診療の他に、もっと大事な母としての心構え、妊娠の哲学的な意味、女がいかなる存在なのか、妊娠・出産の奇跡とその神秘を伝えます。そして、ビクビクするより、いかに生命力を上げるのか、命に満ちた生活をすることの重要性を伝えます。 |
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◆「命だけはお助け下さい」というのが医学です。だから医学が「思想」ではなく、「技術」になりさがってしまうのです。お産が「思想」にならないわけです。そこにいまの産科学が堕落している原因があります。 |
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◆医者はただ、医学的、生物学的に問題さえなければ、それだけでお産は理想であると思い込んでおり、お産が神を感じる宗教的な経験であるという発想がまったくありません。命の神聖を感ずる一番大切な機会を無意識に、無遠慮にぶち壊して、平気でいます。 |
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◆男の医者が、「医学」を錦の御旗に、偉そうに侵入していったのです。そして女からお産の主導権を奪い、神聖な場所に土足で踏みにじって、「男」の金儲けの場に変えてしまいました。それだけでは飽きたらず、今度は助産婦の領域まで侵入しようとしている。私は「助産師」をそうとらえています。 |
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◆生きるか、生きないかは神が決めることであって、医者が決めることではない。異常があるから死ぬのであって、死ぬべきものが死に、生きるべきものが生きるから、強い生命が生き延びる。それが生き物の原則です。 |