まず皆さんに知っておいて欲しいことなんですが、人間の歯の形から見て適切な食物を摂ることが、健康増進や病気の治療には大切なんであり、「腹八分に病なし、腹十二分に医者足らず」の格言が示すように、食べ過ぎは、血や気や水の流れを悪くして、心身の病気を誘発することにつながるのです。
つまり、人間の生理の鉄則として「吸収は排泄を阻害する」というのがあり、食べ過ぎると、胃・腸の生命力が全て吸収力の方へ回され、排泄する力が落ちるという意味を忘れないようにしたいのです。
それぐらい消化という働きは、エネルギーが必要となるわけでもあり、身体にとって大きなストレスとなるのです。
それでは、説明が遅れましたが、人間の歯は32本のうち20本が穀物用の臼歯(20/32=62.5%)、8本(8/32=25%)が野菜や果物をガブリと食べる門歯、4本(4/32=12.5%)が肉や魚を食べる犬歯というような割合で配列されているのをご存じでしたか?
つまり、普段の食生活がこのようになっていれば理想なんですが、まずどこかに偏りがあると思うんですね。
現在の日本人は、肉の比率が理想の2倍近い数字になっているようです。
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元来、狩猟民族であった欧米人は、気候も寒冷地で、穀類が十分に摂れなかったので、牛乳や肉類を主食にしてきたので、身体のつくりが肉を消化しやすくなっているので、肉類を食べても日本人ほど負担が無いのです。
逆に肉食を行った結果として、日本人には肝臓に疾患を持った人が多くなっているんです。欧米の方々には少ないのですが。まさしくDNAの違いです。
なぜか、未だに日本人は大きな勘違いをしているんです。嘆かわしいことですがね。欧米色=贅沢な食事と……。
K−1戦士で有名だった故アンディ・フグさんは、日本食ほどバランスの取れた食事はないと絶賛していたそうです。それに、欧米での日本食ブームを見れば一目瞭然なんですが…。
だから魚と肉を食べる歯としての犬歯も、食生活の1割ちょっとが、動物食用の歯ということになるんですよ。
つまり、食事での食物の割合を、穀類:野菜・果物:肉・魚の比を62.5:25:12.5にするのが理想なんです。
日本人は戦前までは、これらの比率に近い食生活をしていたので、糖尿病や癌等の生活習慣病は、非常に少なかったんです。
皆さんの食生活はいかがですか。私も偉そうなことを言えませんがね。理想とほど遠いんじゃありませんか。
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だからと言って、比率を守り、食べ過ぎても良いのかというと、それは間違いなんですね。後でも詳述しますが、今の生活習慣病は換言すれば、「ぜいたく病」なんです。下手すれば、手の届く範囲に溢れるほど食べ物が散乱しているわけです。
少し前までは、そんなに常に食べ物に囲まれていた訳じゃないのを忘れないで欲しいのです。お腹を空かしていた時代の方が長いのですから。
ある学者によりますと、これまでの人類の歴史を1日の時計に例えると、23時間56分が飢餓の時間で、残り4分が現代のように飽食の時代だというのです。
つまり、人間の歴史は飢餓との戦いの歴史だったのですから。現在では、アフリカなどの一部では、まだまだ食糧事情が悪く、餓死する子供達も少なくないのですが、日本では、ホームレスの方々で餓死したというニュースは殆ど聞かないのですからね。
また、遺伝子の問題で、適応できないのに無理に飲まされている食べ物に牛乳があります。カルシウムをとるために牛乳を飲もうという宣伝も盛んにされており、子供には給食として
出されています。
カルシウムは吸収されてこそ、栄養です。しかしながら、日本人は乳糖不耐症といって、牛乳に含まれている乳糖を分解するラクターゼを持っていないため、せっかくカルシウムを摂っても、それが吸収されずに排泄されていくのです。
不耐症とは、その食品中の成分を代謝する酵素がないため、食べ物中の成分を消化吸収できない状態を指します。
またアメリカでは、牛乳を飲んでいる人の方が、骨粗しょう症に罹りやすいという、皮肉な結果も出ているぐらいです。