なぜ腸を丈夫にする必要性があるのでしょうか?
それは、健康・生命を維持する為に大事な臓器だからです。
◆現在増加する腸内環境の乱れの原因はなんでしょうか?
1.現代の高タンパク、高脂肪の食事への偏り |
2.生活習慣の乱れ、ストレス、老化など |
◆それでは、腸はどんな働きはしているのでしょうか?
1.栄養の配送センターの役割 |
2.大腸は、ミネラル吸収の半分程度を行っています |
3.腸内環境が汚れていれば、毒素も送り込んでしまう |
4.クスリの分解・吸収を行う |
5.千島学説では、小腸絨毛説を採り、血液を造る |
◆腸内にいる腸内細菌って?
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種類 |
どんな働きをするのか |
善玉菌
(発酵菌) |
ビフィズス菌、乳酸菌、他 |
1.乳酸、酢酸を作り、腸内のphを酸性に傾けることで、病原菌の増加を抑え、感染を防ぐ。
2.癌、高血圧、胃腸障害、老化の進行の原因となる悪玉菌の作り出す有害物質によって汚れた腸内をきれいにする。
3.ビフィズス菌が作り出す乳酸や酢酸が腸のぜん動運動を促し、便通をよくする。
4.ビフィズス菌に含まれる成分が、腸壁の免疫機能を刺激し、免疫力を高める。
5.食物に含まれる有害物質を吸着し、体外へ排泄する。
6.動脈硬化や心臓病の原因となる血中コレステロール値を下げる。
7.乳酸菌は、ビフィズス菌をサポートし、ビフィズス菌を増やす。
8.病原菌の侵入を抑え、感染を防ぐ。 |
悪玉菌
(腐敗菌) |
大腸菌、ウェルシュ菌、ブドウ球菌、他 |
動物性タンパク質が好物であり、タンパク質やアミノ酸を分解して、強い悪臭のある発ガン性物質、発ガン促進性物質を作り出します。
また腸内細菌のバランスの崩れは、癌、心疾患、脳血管障害、血液疾患、肝臓病などの生活習慣病の発生要因となります。肌荒れにも関係あり。 |
腸内細菌は、100種以上、100兆個、重さにすると1kg以上棲みついていると言われており、私達の健康と密接に関係していて、あたかも草が生い茂った「草むら」のように見えることから、「腸内細菌叢(腸内フローラ)」と呼ばれ、それぞれの細菌が勢力を競い合っています。
また、腸を広げると、テニスコート一面分にもなると言われる程、長く伸縮性のある臓器が体内に入っているのです。
いわゆる善玉菌が優勢の時は、腸内細菌のバランスも良く、腸が汚れている状態でもなく、逆にバランスが崩れると、腸が汚れ様々な健康面への悪影響を及ぼします。
便秘は、腸内に腐敗物が詰まったままとなっていて、すぐに解消する必要があります。 |
◆もっと気付いて、便秘の恐ろしさについて!
そもそも便って、何?
@腸内細菌と自律神経により作られる |
A便の成分:75〜80%が水分
:13〜18%が食物繊維
:2〜7%が腸内細菌、老廃物 |
便は腸からのメッセージであり、沢山の情報が含まれています
色 |
黄色みがやや強い黄褐色が健康な便の色。逆に黄色みが失われ、黒ずんでくるほど、腸内フローラが乱れていることになります。特に黒く見える便は要注意です。 |
臭い |
臭いの元は悪玉菌により作られる有害物質。腸内フローラが乱れる程、便の臭いは強烈になってくるので要注意です。 |
形・量 |
小さめのバナナ状が理想。直径2〜3cmのものがすんなり出れば、万全。現在休止中の爆風スランプのサンプラザ中野さんは、黄金の便と呼んでおり、健康の目安にされています。 |
硬さ |
柔らかすぎても硬すぎても腸内フローラの状態は良くない状態。かつ排便の仕方も要チェック。新聞が読める程、排便に時間がかかるのも問題です。 |
トイレに入って便座に座るやいなや、小ぶりのバナナ状の黄色みがかった便がスッと出て、切れもよく、残便感のない、2〜3分で済むのが本物の快便の状態です。 |
◆便秘のおこる原因は?
@不規則な食生活 |
Aストレス(感情や環境など) |
B食物繊維の不足 |
C水分不足 |
D便意の我慢や無視の連続 |
◆便秘になると、なぜ怖いのですか?
万病の源:肌荒れ、にきび、吹き出物などの肌トラブル
:頭痛、肩こり
:生理不順
:イライラ、集中力の低下
:大腸ポリープ
:巨大結腸症
:大腸ガンを始めとして、様々なガン
:口臭、体臭の原因 |
◆便秘を加速、深刻化させる原因は?
女性は美容や排泄目的で、市販の便秘薬や下剤に安易に頼る傾向が強くなっています。それを常用することにより、精神的に依存してしまい、習慣化し、手放せなくなる可能性が大です。
薬を常用化すると、段々効き目も薄れ、強いものへ移行するか、量を増やす結果となり、悪循環を招く結果となりかねません。とくにセンナ、大黄などの刺激性下剤を愛用すると、腸が黒ずんできて、粘膜にある神経細胞の数も減少し、腸の動きや感覚も鈍くなる結果を招く可能性が高くなります。
だからこそ、クスリに頼らない身体づくりが重要となるのです。 |
◆腸をキレイにする為に、欠かせない代表的な栄養成分って?
食物繊維 |
オリゴ糖 |
●不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の両方が揃ってこそ効果あり
●腸のクリーニングをして肥満の予防・解消
●糖尿病・高脂血症・動脈硬化・高血圧の予防
●大腸ガンの危険性も低下 |
●ビフィズス菌の活力源となり、腸内のビフィズス菌を増やす
●低エネルギーで低血糖を上げない
(糖尿病、肥満症の方にもOK) |
ビフィズス菌 |
乳酸菌 |
●腐敗菌と闘い、腸内環境を整える
●発ガン性物質を分解・吸着して排出
●免疫力を高める
●血中コレステロール値を下げる |
●ビフィズス菌のサポート役として、ビフィズス菌を増やす
●病原菌の侵入を抑え、感染を防ぐ
●腸内の腐敗を抑える |
以上、色々と書いてきましたが、ご理解頂けましたか?
ここで少し、杏林予防医学研究所の山田豊文先生の言葉を拝借しますと、「日本人は、戦前まで動物性食品をほとんど摂ることがなかったため、動物性たんぱく質分解能力が弱く、高タンパク質を摂ると腸内に未消化のたんぱく質が残ります。
未消化のたんぱく質は、人間にとって毒であり、腸の短い欧米人はそれを速く排出できますが、日本人は植物性食品を消化するのに適した長い腸をしているため、それだけ長い時間、腸内に腐敗産物がとどまることになります。肉や脂肪分をとる量が多く、便秘がちになる人ほど、大腸ガンになる確率も高くなる。」と書かれたいたりします。
もともと米、野菜、豆、小魚主体の食事をしていた日本人が、肉や牛乳、バターなどを以前の何倍も食べ始めるということは、遺伝子の仕組みや適応性を無視した「自殺行為」と言えるのです。
もう少しお言葉を借りますと、
「日本人特有の体の仕組みには、3つの大きな特徴があります。1番目は腸が長いこと、2番目はインスリンの分泌が緩やかであること、そして3番目は胃酸の分泌が少ないことです。
日本人の腸の長さは、平均すると約9メートルで、これは欧米人に比べておよそ2メートルも長いことを、ご存知でしょうか。
農耕民族である日本人は狩猟牧畜民族の欧米人と違って、長い間、植物性食品を中心とした食生活を送ってきました。
食物繊維を多く含む植物性食品の消化・吸収には時間がかかるため、腸を長くすることでゆっくりと消化・吸収できるように進化していったのです。
これに対し、動物性タンパク質を多く取る習慣のある欧米人は、それが腸内で異常発酵(腐敗)し、有害物質を生じやすいことから、便として速やかに排泄するために短い腸が必要でした。雨量が少なく寒冷な気候のヨーロッパ大陸では、植物が育ちにくいために農作物の生産量も乏しく、栄養源として畜産物に頼らざるを得ませんでした。
その結果、肉類や乳製品を消化するための分解酵素を多く分泌するなど、高タンパク高脂肪食を受け入れる仕組みが日本人よりも整っています。
本来の食性からすれば、日本人は植物性の食品を中心に摂取していれば良いのですが、戦後の急激な食生活の欧米化に伴って、動物性タンパク質の摂取量が激増し、その一方で野菜や未精製の穀物、豆類などに含まれる食物繊維の摂取量が、大きく減ってしまいました。
腸の長い日本人が欧米人並みに肉類を食べると、消化にてこずる上に、未消化の分を便として排出するのに時間がかかります。そのため、腐敗する有害物質が腸内に長く停滞することになります。この有害物質は腸内環境を悪化さえ、腸内細菌のバランスを崩す要因になるほか、腸壁にダメージを与えて血管に侵入し、血流に乗って全身に運ばれてしまいます。肉食に偏った食事は私たちにとって、体全体の様々な悪影響を与えやすいのです。
また日本人の主食である米は、消化に時間がかかるでんぷんを多く含んでいます。このでんぷんによって体内での糖の吸収がゆっくりになるので、血糖値の上昇も緩やかで、すい臓から1回に分泌されるインスリンの量も少なくてすみます。そのため、日本人のすい臓は欧米人に比べると、インスリンを一挙に、かつ大量に分泌する能力に乏しいのです。実際、日本人は体重に換算しても、他の民族よりすい臓そのものが小さく、インスリンの分泌も少ないと報告もあります。
米、特に玄米などの精製度の低いものを中心にした食生活を送っていた時代であれば、インスリンの分泌量が少なくても良かったのですが、米を食べずにパンや麺類といった精白小麦粉に満ち溢れた食事ばかりしていると、インスリンを猛烈な勢いで分泌せざるを得ず、血糖値が急激に上がってしまいます。
なので、すい臓はインスリンを分泌し続け疲労し、最終的にはインスリン生産が追いつかなくなり、高血糖の状態が長く続くようになります。このような負担の蓄積が糖尿病の原因となるのです。
日本人が糖尿病になりやすい体質を持っているという点に関しては、アメリカに移住した日本人の糖尿病の発症率が、現地のアメリカ人の2〜4倍になるという研究報告も発表されていますし、食生活の変化に起因することは明らかです。
それらに加えて、日本人は胃酸の分泌が元々少ない民族だといわれています。
欧米人は一度に沢山の動物性食品を消化・吸収する必要があるため、タンパク質を強力に分解する胃酸の分泌が旺盛です。
しかし、日本人の胃酸の分泌量は欧米人の半分程度しかありません。皆さんの中には、食後の胸焼けは胃酸過多が原因と決めつけて、症状の緩和に胃薬(制散剤)を服用される方も多いでしょうが、これは早計です。実はその中で、本当に胃酸過多の人は2割程度しかいないと言われています。
殆どの人は、むしろ胃酸の分泌が少ないために胃の調子が悪いと考えられるのです。そうすると、胃酸の分泌を弱める作用を持った胃薬に安易に頼るのは、根本的に間違っていることになります。生活習慣病をはじめとする慢性疾患の原因のひとつに、この胃酸の分泌不足が疑われます。特に、アトピー性皮膚炎の患者などでは胃酸の分泌が非常に少ないというデータもあります。
食べたものがうまく胃酸などと混ぜ合わされないと、消化が妨げられて栄養素が適切に吸収されません。これがいうゆる「吸収不全」であり、タンパク質、脂肪、炭水化物、ミネラル、ビタミンといったあらゆる栄養素の欠乏を引き起こします。特に、亜鉛、銅、クロム、マンガンなど必須ミネラルの多くは小腸の上部でしか吸収されないため、食べたものを胃酸でしっかり分解しておかないと、確実にミネラル欠乏に陥ります。
胃酸の分泌を補う上で、梅干や酢の物をうまく取り入れた日本の伝統食は、とても理にかなった素晴らしいものです。食前にお酢や絞りたてのレモンジュースを飲んで、胃酸の分泌を促すのも良いでしょう。
最後に、消化の課程で、体のどこかで一部分で異種タンパク質の侵入が起こると、それに対する過剰反応が全身で生じます。これが食物アレルギーです。
食物アレルギーの主な症状としては、下痢、嘔吐などの消化器系、湿疹やじんましんなどの皮膚系、そして喘息などの呼吸器系のものがあります。
現代社会では、肉や卵、牛乳などの動物性タンパク質食品の消費量が飛躍的に増加し、これに伴って、子供だけでなく大人にもアレルギー症状を訴える人が多くなりました。子供の場合は腸のバリアが完成されていないために、食べ物から得たタンパク質をうまくコントロールできずにアレルギーを起こしやすいのですが、最近ではこのような消化器官の免疫システムの乱れが大人の間でも数多く見られ、なんと「腸に穴が開いている」ということまで起こっているのです。
その対策として、タンパク質の代謝を円滑に行うためのマグネシウムや亜鉛、ビタミンB6などの微量栄養素を不足させないようにすることのほうが、大変重要なのだということをお伝えしたいのです。
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